飛び立てないEPUB32012/05/24 00:21

IDPF
今日、『第19回 東京国際ブックフェア』の招待券が送られて来ました。
その前に『IDPF Digital Book 2012』があります。...当然行けるわけがありません。
私が行くのは東京の『第16回 国際電子出版EXPO』です。

 色々と動きがありますが、結局ビューアがバラバラ過ぎます。特定のスタイルに対応していなかったり、バグがあったり、さらに、WebKitベースでローカルビューアを作り上げたり。... 結局はWebブラウザ黎明期の様相を呈している感じがします。

 要は、組処理とその結果の表示です。
 W3Cの『日本語組版処理の要件』を参考にしたりしているようですが、組処理の細かい部分については、結局はビューアのプログラム処理の『成り行き』ってことですね。
 例えば、座標計算のロジックが全く同じ(ありえないことですが...)だとしても、変数をintで持つのかdoubleで持つのかによって計算結果は変わります。
 1ドットの座標の違いで、1文字・1行・あるいは画像が次のページに追い出されてしまうわけです。ましてや、ロジックが違えば組処理結果が違うのは当然です。もちろん、それ以前にタグの解釈の違いがありますけど。

 元々EPUBはタグ仕様なんですから、その表示状態まで規定しているわけではなく、そこはビューア任せなわけです。
 最も単純な例でいえば、ルビの表示機能が無いビューアはルビを『漢字(かんじ)』のように表示します。これが、字下げや行間、画像と文字の位置関係など、諸々の微妙な部分に現われていて、結果それぞれの組処理結果が変わるわけです。
 でも、いいんです。だって、それがタグ付き文書、EPUBなんですから。

 しかし、出版の編集者は首を縦に振りません。彼らは例え電子書籍であっても、その体裁は底本に忠実であってほしいわけです。『電子書籍は紙印刷の底本とは別物なので、それが出来る範囲の組処理結果で読みやすい版面が表示出来ればよい』とはならないんです。
 これが良いか悪いかは別として、出版社がOKを出さないと、書店で本を売る事は出来ません。

 で、しわ寄せは製作サイドに来ます。各社ビューアに合わせてEPUBを書き換えるわけです。そうすると、出版社が納得するような画面表示になり、販売出来ます。
 結局はマルチソース・マルチユースって言う事です。

 みなさん、自前のビューアに互換性の無い(何言ってるのかわからない方言を喋る)EPUBデータを乗せて強引に飛び立とうとしています。さて、誰が誰についていくのでしょうか? ここは、ちゃんと見極めないと親分もろとも墜落です。
 ・・・と、ここで『pubridge』の登場です。
みんながドキドキしながら飛び立とうとしていたところに現われたのは、翼に大きく日の丸が描かれたジャンボジェット(古っ)です。しかも、その機体は眩しく黄金色に輝いています。『がんばろう東北』の文字も見えます。
 このバブリーな日の丸ジェットは、素敵なリゾートへ連れて行ってくれるのでしょうか?
pubridge

 『第16回国際電子出版EXPO』では、IDPFのビル・マッコイ氏、講談社の野間社長、楽天の三木谷社長、丸善の小城社長がディスカッションするようです。ビルさんは何らかの『Readium』の成果を持ってくると思いますが、どんな物を持ってくるのでしょうか?
またビューアが変わるんですかねぇ。
そうするとデータも書き変えなきゃ。
さて、どうなるんでしょうか?

最近の話題は、こちらからどうぞ。
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国際電子出版EXPO IDPF Readium pubridge 緊デジ がんばろう東北

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